【バカラ】しばらく出てない数字あったら、ペアになる確率上がるんじゃね?【必勝法】
バカラにおいて、ずっとKが出ていなければ、Kのペアが出るんじゃないか?ペアに賭けたら得するんじゃね?という判断が安直かどうかを考察
まだこのブログを作ったばっかりなので、どのようなカテゴリ構成にするか考えきれていない。
とりあえず趣味のカテゴリとして「ポーカー・麻雀」なるものを切り出してみた。
ポーカーは色々書くことがあるが、麻雀はあんまりネタがない。
その昔、「AMOSの攪拌能力の調査(AMOSの自動卓は下山から先に積まれるので、捨て牌にある牌(≒19字牌)ほど下山に行きやすい)」のため実証実験(ひたすら数えた)をやったが、そのデータもどこかに行ってしまった。
ということで、ポーカー・麻雀カテゴリで初っ端からバカラの話をする。
概要
カジノのバカラには「ペア」というサイドベットがある。プレイヤー(またはバンカー)に最初に配られる2枚が同じランクになれば配当1:11がつく、というシンプルな賭けだ。
このペアベット、理論上の出現確率は約7.47%。配当1:11の損益分岐点である1/12(≒8.33%)に届かず、通常はマイナス期待値の賭けである。
ペアにベットした場合のハウスエッジは約10.3%。
プレイヤーが1.24%、バンカーが1.06%、タイが14.36%なので、まあ当然ながらどうやっても期待値はマイナスなわけだが、普通にバンカーに貼るよりよっぽど損な選択である。
ところがバカラは同じ8デッキを何度も使い回す。ここで素朴な疑問がわく。
「途中までずっと1枚も出ていないランクがあったら、そのランクは山札に濃く残っているはず。だったらペアは出やすくなるんじゃないか?」
本記事では、この直感が正しいのか、正しいとしたらいつプラス期待値に転じるのかを、8デッキ前提で計算する。結論を先に言えば「理屈は正しいが、実戦で遭遇することはまずない」だ。
前提:バカラのルールとペアとは何か
バカラの基本
バカラはプレイヤーとバンカーのどちらが「9に近いか」を当てるゲーム。カードの点数は以下の通り。
- A = 1点
- 2〜9 = そのままの数字
- 10・J・Q・K = 0点
2枚または3枚の合計の下1桁で勝敗を決める。本記事では勝敗ロジックの詳細は扱わない。注目するのは最初に配られる2枚だけだ。
デッキ構成
カジノのバカラは 8デッキ(52枚 × 8 = 416枚) を使うのが標準。各ランクは「4スート × 8デッキ = 32枚」ずつ存在する。
ペアとは
「プレイヤーペア」「バンカーペア」は、それぞれに配られる最初の2枚が同じランクになることを指すサイドベット。スート(マーク)は問わない。
ここで重要な注意点が2つ。
- 判定は「ランク一致」であって「点数一致」ではない。 10とKはどちらも0点だが、ランクが違うのでペアにならない。「K と K」はペア、「10 と K」はペアではない。
- メインの勝敗とは完全に独立。 ペアが成立すれば、そのハンドが勝とうが負けようが引き分けようが配当を受け取れる。3枚目のドローも判定に影響しない。最初の2枚だけで決まる。
理論上のペア確率
1枚目は何でもよい。2枚目が1枚目と同じランクになる確率を考える。8デッキなら、あるランクが1枚出た後、残り415枚の中に同ランクが31枚。
約7.47%、おおよそ13.4回に1回。 デッキ数を増やすほど理論極限の 1/13(≒7.69%)に近づく。
そして配当1:11の損益分岐勝率は、期待値ゼロの条件 から 。
7.47% < 8.33% なので、普通に賭ければ負ける。ハウスエッジは約10.3%と、サイドベットらしい高さだ。
「しばらく使っても1枚も出ない数字があったら、ペアなりやすいんじゃね?」
ここからが本題。
バカラは同じ8デッキを、カット位置に達するまで何ハンドも使い続ける。途中経過を眺めていると、こんな状況がありうる。
100枚以上カードが消化されたのに、「K」だけは一度も出ていない。
このとき、Kは32枚すべてが山札にそのまま残っている。一方で他のランクはどんどん薄くなっていく。
具体例
極端な例で直感をつかもう。
山札が残り少なくなり、次のような構成になったとする。
- K:32枚すべて残存(一度も出ていない)
- 他の12ランク:かなり消化されて、合計でわずか数十枚
このとき、配られる2枚はかなりの確率で「Kどうし」になる。Kが山札の大半を占めているからだ。極端な話、山札がKだけになれば、ペア確率は100%になる。
ペア確率を決めるのは「残り山札の構成」だけ。1ランクが無傷で濃く残っていれば、そのランクがペアを大量に生み出す。 そして山札全体が薄くなるほど、この「濃いランク」の影響は相対的に強まる。
つまり直感は正しそうだ。「ずっと出ていないランク」は確かにペアを呼ぶ。問題は、それが配当1:11を上回るほどになるのはいつかだ。
計算
記号の準備
X枚のカードが消化された時点を考える。特定ランクが、そのX枚の中にちょうど m 枚出たとする。
- 特定ランクの残数:
- 他の12ランクは残り 枚を均等に分け合うと近似 → 各ランク残数
- 残り山札の総数:
残り山札からプレイヤー側に2枚配ったときのペア確率は、各ランク の残数を として次の総和で表せる。
これに上の近似を代入すると、
注意:これは「他の12ランクが均等に薄まる」とした期待値モデルである。 X枚消化という情報だけでは山札構成は一意に決まらない。実際の卓ではランクごとのばらつきがあり、正確を期すなら全ランクの残数を実カウントして上の総和式に直接入れる必要がある。本記事の交差点はあくまで期待値上の目安だ。
交差点:いつプラス期待値になるか
となる X を、 それぞれについて数値計算で求める。
ケース | 交差点 | 残り山札 | 意味 |
|---|---|---|---|
m = 0(1枚も出ていない) | ≈ 236 | 約180枚 | Kが32枚フル残存 |
m = 1(1枚だけ出た) | ≈ 244 | 約172枚 | Kが31枚残存 |
m = 2(2枚だけ出た) | ≈ 251 | 約165枚 | Kが30枚残存 |
要するに、「236枚カウンティングして、一枚も出ていないランクがあった場合、ペアにかけたら期待値がマイナスでなくなる」ということだ。
mが増えるほど交差点は後ろにずれる。 Kの残数が減ると「Kの濃さ」が落ちるため、有利になるまでより多くの他ランクを薄める必要があるからだ。
その状況が起こる確率
では、「X枚消化時点で特定ランクがちょうど m 枚しか出ていない」という事象は、どのくらい珍しいのか。これは超幾何分布で表せる。母集団416枚・対象ランク32枚から、X枚を引いて m 枚出る確率:
概算すると(特定ランクでの確率をポアソン近似によるオーダー見積もり&ざっくり13倍):
ケース | 交差点 | 発生確率 | 体感頻度 |
|---|---|---|---|
m = 0 | ≈ 236 | 約 8×10⁻⁸ | 約1300万回に1回 |
m = 1 | ≈ 244 | 約 1.7×10⁻⁶ | 約60万回に1回 |
m = 2 | ≈ 251 | 約 1.0×10⁻⁵ | 約10万回に1回 |
mが増えるほど発生確率は上がる。「ランクが完全に枯渇」より「1〜2枚は出た」のほうがはるかに起こりやすいからだ。
とはいえ、最も起こりやすい m = 2 でも10万回に1回。しかもこれは「交差点まで到達した時点」での確率であり、その状況自体が現実離れしている。
発生確率はポアソン近似によるオーダー見積もりで、有効数字1〜2桁の精度。厳密値が必要なら超幾何分布の直接計算が必要だ。
結論
「しばらく出ていないランクはペアを呼ぶ」という直感は、理論的には正しい。
特定ランクが無傷で濃く残り、山札全体が薄くなれば、そのランクがペアを量産し、ペア確率は理論値7.47%を超えて上昇していく。
しかし、それが配当1:11の損益分岐点(1/12 ≒ 8.33%)を超えるのは:
- 416枚中230〜250枚を消化した後(残り山札が半分以下になってから)
- かつ、特定ランクがそこまでほとんど出ていないという、数十万〜数千万分の1の極端な偏りが起きたとき
この2条件が同時に必要だ。ほぼ無理。
さらに、一つ目の条件をより厳密に言うと、「230~250枚を観測した後」である。
実際にはバーンカードなどもあり、観測できないカードも出てくるため、より一層厳しい条件を突きつけられる。
多くのカジノはカット位置を残り1〜1.5デッキ程度に設定するため交差点付近でのプレイ自体は可能なこともあるが、とはいえ「特定ランクが250枚消化されてなお2枚以下」という偏りに実戦で遭遇することは、まず期待できない。
(一応、本記事では「特定のカード以外は偏らない」という前提で考えている。他にも偏りがあった方が当然ペアの確率は上がるので、比較的厳しい条件で算出しているのは事実。まあ、とはいえ、だね。)
結論:バカラはやるもんじゃない